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研究開発

研究開発

RESEARCH AND DEVELOPMENT

抗ウイルス薬開発

RKP00156

広範囲なDNAウイルスに対して抗ウイルス効果を有する治療薬候補化合物になります。

キノファーマはウイルス自体をターゲットとするのではなく宿主のキナーゼ(Kinase:タンパク質リン酸化酵素)をターゲットとする新しいコンセプトの新薬開発に取組んでいます。
この取り組みにより、いまだにウイルス薬やワクチンなどの治療法がないウイルス疾患に治療薬の提供化が可能となるとともに、従来の抗ウイルス薬に耐性を有するウイルス疾患への治療薬提供に道が開けます。

※キナーゼ(Kinase)とは、生化学において、ATPなどの高エネルギーリン酸結合を有する分子からリン酸基を基質あるいはターゲット分子に転移する(リン酸化する)酵素の総称であり、リン酸化酵素とも呼ばれています。
タンパク質のリン酸化は私達の体の重要な細胞内メカニズム(転写、翻訳、分子輸送、蛋白質間相互作用等の制御)を担っており、過剰なタンパク質のリン酸化などにより恒常状態が崩れると様々な病気を惹き起こします。

1. ウイルスとは

タンパク質からなる「殻」とその内部に入っている「核酸(遺伝情報物質)」によって組成される、シンプルな微小構造体で、他の生物(宿主)に感染し、宿主細胞の持つ増殖機構を利用することにより自己複製します。ウイルスの自己複製により、宿主細胞が細胞死に至ったり、がん化することがあり、また複製された大量のウイルスへの宿主の防御機構などによる生理反応により、様々な病気を惹き起こします。
ウイルスは分類学上、DNAウイルスとRNAウイルスに分類されます。

2. 作用メカニズム

従来の多くの抗ウイルス薬はウイルス自身の持つあるいは作るタンパク質を阻害して、ウイルスの活動を抑制していました。
しかし、キノファーマの抗ウイルス薬は、ウイルスが複製・増殖時に利用する宿主の酵素を阻害し複製活動を抑止することで、ウイルスの増殖を抑えます。

3. ターゲットウイルス

ウイルスを大きく2種に分類すると、インフルエンザに代表されるRNAウイルスと、B型肝炎や子宮頸がんに代表されるDNAウイルスに分けられますが、当社はDNAウイルスをメインターゲットとしています。DNAウイルスは多種多様な疾病を引き起こす原因となりますが、未だに有効な薬剤が乏しいことから、深刻なアンメットニーズに応えるべく開発に注力しています。

ウイルスの種類(ボルティモア分類)

当社がターゲットとするウイルス及び疾病

B型肝炎ウイルス
HBV:B型肝炎感染症
アデノウイルス
ADV:咽頭炎、流行性角結膜炎、重度の細気管支炎(乳幼児)、急性心筋炎
ヘルペスウイルス

HSV:既存治療薬に耐性となった日和見感染症や脳炎等
FeHV:猫ヘルペスウイルス感染症(結膜炎)

パピローマウイルス
HPV:疣贅(ゆうぜい)、尖圭コンジローマ、子宮頸部上皮内腫瘍(前がん状態)
ポリオーマウイルス
JCV:進行性多巣性白質脳症(PML)(難病指定)
パルボウイルス
CPV:犬パルボウイルス性腸炎

神経変性疾患治療薬開発

KPO1143

タウ蛋白質の過剰リン酸化抑制に基づく、アルツハイマー病などに対する神経変性疾患治療薬候補化合物

1. アルツハイマー病の研究

アルツハイマー病の根本原因は解明されておらず、複数のアプローチからの研究開発が行われています。
原因がアミロイドβ(Aβ)の凝集・沈着であるという仮説に基づき、多くの「Aβ標的薬」が開発されております。臨床試験では、認知機能の改善は想定されたほどではなく、開発中止となる候補医薬品が続出しています。
そのような中で「神経原線維変化」が実際の神経細胞脱落と相関することが判明し、タウ蛋白がアルツハイマー病治療薬の対象として注目されてきています。

2. 作用メカニズム

タウ蛋白はキナーゼの一種である「Dyrk1a酵素」によりリン酸化が始まることがタウ蛋白の凝集の引き金となると考えています。
KPO1143は、「Dyrk1a酵素」を阻害する効果を有していることから、アルツハイマー病の発現を予防する効果があると考えています。

パイプライン

プロジェクト番号
研究
非臨床
フェーズⅠ
フェーズⅡ
フェーズⅢ
研究
非臨床
フェーズⅠ
フェーズⅡ
フェーズⅢ
研究
非臨床
フェーズⅠ
フェーズⅡ
フェーズⅢ
研究
非臨床
フェーズⅠ
フェーズⅡ
フェーズⅢ
研究
非臨床
フェーズⅠ
フェーズⅡ
フェーズⅢ
プロジェクト番号001
化合物
RKP00156
適応疾患
疣贅
パートナー/助成金
京都大学
AMED

1. 疾患の原因及び特徴

ウイルス性のイボは疣贅(ゆうぜい)ともいわれ、その原因となるのは、DNAウイルスの一種であるヒトパピローマウイルス(HPV)です。皮膚の微小なキズなどからHPVが侵入して皮膚の角化細胞に感染します。感染した角化細胞は分裂速度が速まるため、その部分の表皮が肥厚してイボになります。よく手や足、顔にできるイボは尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)といわれ、ヒトパピローマウイルス2型・27型・57型の感染により発症します。すべての年齢層に発症しますが、とくに子供にできやすく、どんどん増えてしまう場合もあります。

2. 一般的な治療方法

液体窒素を用いる冷凍凝固法(外科的)が中心の治療法で痛みを伴うとともに、ウイルスの除去がしにくく、長期の治療期間を要する場合があります。効果的な抗ウイルス薬は存在していません。

プロジェクト番号002
化合物
RKP00156
適応疾患
流行性角結膜炎
パートナー/助成金
NEDO

1. 疾患の原因及び特徴

流行性角結膜炎(EKC)は、アデノウイルス8型、19型、37型、53型、54型、56型の結膜への感染により起こる炎症で、角膜炎を伴います。非常に感染力が強く、潜伏期間は8日~14日で、急に発症し、眼瞼の浮腫、流涙を伴います。また、耳前リンパ節の腫腫を伴い、角膜炎症が及ぶと透明度が低下し、混濁は数年に及ぶことがあります。EKCの原因であるアデノウイルスは、主として手を介した接触により感染するため職場、病院、家庭内などのヒトが濃密に接触する場所などで感染が拡大します。

2. 一般的な治療方法

効果的な抗ウイルス薬は存在せず、抗菌剤やステロイド点眼剤などによる炎症に対する対処療法が中心となっています。

プロジェクト番号003
化合物
RKP00156
適応疾患
子宮頸部上皮内腫瘍
パートナー/助成金
京都大学
京都産業21

1. 疾患の原因及び特徴

子宮頸がんは、子宮頸部の基底細胞にヒトパピローマウイルス(HPV)16型、18型、31型、33型、35型、45型、52型、58型が長期間にわたり感染し発症します。HPV持続感染により子宮頸部に異形成(子宮頸部上皮内腫瘍)が生じ、さらに多くは10年以上の期間をかけて子宮頸がんに進行します。子宮頸がんの前段階である子宮頸部上皮内腫瘍(CIN) は、進展状態によって CIN1から3に分類されます。CIN3に進展している場合には手術によって部分切除となりますが、CIN1または CIN2の状態においては治療方法がなく、CIN3もしくは子宮頸がんに進展するまで待機(経過観察)を続けていることが現状の課題であります。子宮頸がんの罹患者数は、国内で年間約 1 万人、死亡数は約 3 千人でありますが、CIN の罹患者数は国内年間約 15 万人です。CIN治療薬の開発に向けて、京都大学との治験準備が進められています。治療法が確立されていない現状は、多くの女性にとって深刻な状況であると認識しております。治験に使用される「抗ウイルス薬」はCINでの手術が必要となる状態の前の段階に投与され、HPV を排除することで、子宮頸がんへの進展を防止することを目的としています。手術以外の方法がなかったCINへの治療薬の確立を目指すことに社会的な価値を有しております。

2. 一般的な治療方法

HPV感染の予防目的で、性的活動前の若年女性・男性に投与するHPVワクチン(ガーダシル等) が承認されています。
子宮頸部上皮内腫瘍軽度(CIN1)・中等度(CIN2)に対しては経過観察が行われ、高度(CIN3)に対しては、多くの場合、子宮を温存しながら頸部の異常部分を円錐状に切除する「円錐切除」が行われますが、円錐切除は早産リスクが上昇するなどの課題があります。

プロジェクト番号004
化合物
KPO1143
適応疾患
アルツハイマー
パートナー/助成金
国立研究開発法人量子科学研究開発機構
放射線医学総合研究所

1. 疾患の原因及び特徴

国際アルツハイマー病協会の 2015 年時点での推計では、世界中で約 3 秒に 1 人が新たに認知症を発症しています。日本でも厚生労働省研究班の調査で 2012 年の時点で約 462 万人の認知症患者がおり、今後ますます患者数が増えていくことが予想されています。認知症患者のおよそ半数を占めるとされるアルツハイマー病患者の脳内には、アミロイド βやタウ蛋白質が蓄積し、神経細胞死が起こることで、物忘れなどの症状が出現してきます。アルツハイマー病発症の原因は究明されておらず根本的な治療方法は確立されておりませんが、近年、タウ蛋白質の異常凝集に対する治療法に注目が集まっております。患者脳で蓄積するタウ蛋白質は過剰にリン酸化されており、タウ蛋白質の過剰リン酸化と神経細胞死には密接な関係があると考えられています。

2. 一般的な治療方法

認知症の症状を一時的に改善する複数の薬が使われていて、これらの薬は、脳内の神経伝達物質を増加させることで一定の効果がありますが、アルツハイマー病の根本的治療法は現在のところありません。

助成金

公的機関
テーマ
対象疾患
期間
金額
公的機関
科学技術振興事業団(JST)
AMEDに地位継承
(2015年4月)
テーマ
独創的シーズ
展開事業委託開発
対象疾患
抗DNAウイルス
外用剤(疣贅)
期間
2009年から
2018年3月末迄
金額
総額2億円
公的機関
科学技術振興事業団(JST)
テーマ
A-Step開発事業
対象疾患
ダウン症患者での
アルツハイマー病
治療薬
期間
2009年度から
2014年度迄
金額
総額約2.1億円
公的機関
新エネルギー・
産業技術総合
開発機構(NEDO)
テーマ
研究開発型
ベンチャー支援事業
対象疾患
流行性角結膜炎点
眼製剤開発
期間
2017年3月から
1年間
金額
総額5,207万円の内
3分の2助成
公的機関
公益財団法人京都
産業21
テーマ
H29年度
京都エコノミック・
ガーデニング
支援強化事業
対象疾患
子宮頸がん発症原因である
HPVに対する製剤開発
期間
2017年11月から
1年間
金額
総額2,800万円の
50%助成